Ecentral - Japan's International Career Source

自動車業界 フィアットグループオートモービルジャパン アランプレセ氏

ティツィアナ アランプレセさん イタリア出身

フィアット グループ オートモービル ジャパン株式会社
フィアット・カントリーマネージャー兼マーケティング本部 本部長

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あのルパン三世にも登場するかわいい車、フィアットチンクエチェント。

青山にあるFIAT CAFFÉに入ると、赤いチンクエチェントがお出迎え。クリスマスカラーに彩られた店内では多くのお客様やスタッフが本当に楽しそうにしていました。今回は、フィアット・カントリーマネージャーのティツィアナさんにお話をお聞きしました。

EC: ティツィアナさんこんにちは。自己紹介をお願いします。

私が日本に興味を持ったのは、大学の頃でした。ナポリにある、ナポリ東洋大学という歴史のある学校で、日本語のクラスを取りました。同大学は神父によって設立され、1600年から中国語や日本語の学科もあるのです。

ますます日本への想いが強まり、ついに1986年に文部省のプログラムを通じ、九州大学に入学が決まりました。3年間経済学部に所属し、更に2年大学院で研究に打ち込みました。その他日本の文化にも多いに魅了されました。美学、食文化、ユーモアの文化、また剣道では2段を獲得しました。かけがえの無い友人も多くでき、今でも強い絆で結ばれています。

卒業後はイタリアへ帰りました。しかし日本への思いを引きずり、イタリアの実家でも玄関では靴を脱ぎ、畳をしき、布団で寝る毎日でした。

イタリアでは、まず日産自動車へ就職しました。その後、イタリアを代表する自動車メーカーのFIATへ転職。就いた職務は、ワールドワイドのカスタマーケアーから始まり、ウェブサイト構築プロジェクト、グローバルマーケティング (インド、中国、日本市場の責任者)と続きました。一つの会社でしたが、様々なキャリアを経験する事ができ、常に新しい挑戦ができた事はラッキーだと思っています。

キャリアを積む上で、私は常に日本で習った事、特に哲学や考え方、自分と相手の感じ方を常に念頭に置き、世を渡ってきたんですよ。

大学以来離れていた日本でしたが、2005年に本社から日本の現地法人へ、フィアットブランドを統括するカントリーマネージャーとして出向するチャンスが巡ってきました!

現在は、自分の家族、娘+2匹の猫と一緒に暮らしています。

娘も日本式の生活になじんでいますよ。2005年に来日した時、会社が用意してくれた部屋はよくある洋風のタイプでした。会社側は、欧米出身者の為にわざわざ洋風な部屋を用意したと思うのですが、先ほども触れた様に、私のイタリアの実家は超和風です。日本に来たのに、畳も布団セットも無い、そんな部屋は嫌だわ!とすぐに近所の畳屋さんに買いにいった事が楽しい思い出です。

 

EC: 今までビジネス上で印象に残った事をお聞かせ下さい

一番チャレンジングだった事は、2008年フィアットのリブランディングの時でした。50年ぶりの発売となった新型チンクエチェントのブランディングには力を入れました。

また今年起こった地震も忘れられません。

今年の1月から、社会貢献を目的としたShare with FIATというプロジェクトを進行させていて、春先のイベントやWeb企画など様々な活動の準備に忙しくしていた矢先の地震でした。

3月19日には、このカフェで今後のShare with FIATプロジェクトを練り直す為に関係団体の皆様やフィアットのスタッフで集まりました。誰も現状から逃げる事無く、冷静に、今後のビジネスや支援活動をどのように展開すべきか熟考しました。

幸いな事に、社会貢献の準備は整っていましたので、すぐに東北支援に向けたプロジェクトが動き出しました。peace winds Japanを通じてのオンライン募金活動やメッセージの受け付け等が始まりました。

また、今年のクリスマスは「東北グランマプロジェクト」に賛同し、被災地支援を行っています。

このカフェにも飾られているクリスマスオーナメントは、東北のグランマ(おばあちゃんたち)によって一つ一つ手作りされた物なんですよ。12月6日に開催されるFIATユーザーやファンが集うクリスマスパーティーにはこのオーナメントの作り手であり被災地で復興のために頑張っていらっしゃる陸前高田市のグランマ8人をご招待し、束の間ではあるけれど楽しんでもらうんです。

 

EC: ティツィアナさんが大切にされている信念「ラブ」があふれたプロジェクトですね。

あの様な悲しい出来事の後は、日頃から自分が信じている事を、更に強く信じないといけないと思います。ラブへの信念は何も私個人だけではなくユニバーサルな信念です。

また、企業として考えた時も、コーポレートカルチャーは、社員一人一人の想いや心意気がつみ上がってできるものですから、やはり個人の信念は大切ですね。人間にはラブです、もっと繋がりましょう。

また私たちはローカルを大事にします。FIATグループは世界的な規模ですが、日本支社は小さいです。日本というエキサイティングな市場で、なにをすれば良いかよく分かります。例えばこのFIAT CAFFÉ もほかの国にはない日本限定の店舗です。

私が常に描いていた「女性とかわいいチンクエチェントが合える場所」そして人が交わえる場所を創りたくて。

 

EC :女性のエグゼクティブならではの、チームの育て方についてお聞かせ下さい。

男性の中には、ビジネスにおいて縄張り意識が強い人が多くいます。またパワーゲームが大好きで、同性同士をサポートします。なぜなら女性に入ってきてほしくないから。その感覚は男性同士なら楽しめるのですが、女性には理解できない。中には理不尽な意識や形式にこだわりすぎる場面も多すぎてとても不自然だと思う事があります。

日本人の女性ほど有能な人達はいないのに、結婚したら家庭に入ってしまうケースが多く、また男性も応援しない。実はイタリアでも同じなんです。お母さんは家事をしないといけない。子持ちで働く女性は、職務レベルに関係なく、家事と仕事の掛け持ちで多忙な人がほとんどです。そこまでしないと会社に残れないシステムは見直されるべきです。もっと万人に公平で優しいシステムを作る必要がありますね。心に余裕も作れない程の激務では、長続きしないし、クリエイティブな仕事ができなくなるからです。

私のマネージメントポリシーでは、女性的なシステムを作る事です。そうすれば結局男性にも優しい職場や社会にもなると信じています。

子育てに関連して、この自動車業界が環境に与える影響を常に感じています。私たちは、チンクエチェントを作るプロセス一つ一つにこだわっています。最新の技術でCO2の削減や汚染を最小限に抑えるプロセスを取っています。地球の資源は限られているのに、消費が資源を上回っていますよね。自分の子供達の時代の為の資源をすでに使ってしまっている事を考えると、ジレンマに思う事もあります。

 

EC: 世界のフィアットの良きライバルは?

ご存知の通り、世界中の自動車企業が合併を繰り返していますので、社ごとの比較は難しいですが、フォルクスワーゲンの気風が似ていると思います。使いやすく「みんなの為の車」というフレンドリーさを持ち合わせている所でしょうか。 もちろんトヨタもライバルのうちの一社ですね。

またブランド別で細かく見ていくとチンクエチェントのライバルは、日本で言えば「Mini」でしょうね。しかし弊社のイタリアンスピリットとそれを表現したデザインはどこにも負けないという自負はあります!

急成長をしている、中国やインド数億人マーケットをどのように取り込んでいくかが課題です。資源保ちつつ、人々の生活を楽しくするにはどうしたら良いか。日々考えています。各国政府と自動車業界のチャレンジでもありますね。

 

EC: これまでを振り返ってターニングポイントは何だったと思われますか?

チャレンジなしでは面白くないと思う性分でしたから、変化に富んだ生活は楽しかったです。私は「Innovator」だと思っています。”I changed the company more than company changed me”これが今までやってきた事の総括だと思っています。ワークスタイル、哲学、いつも新しい風をふかせてきました。このFIAT CAFFÉ を作ったのも世界で初めてです。

私は常に、自分のビジョンの為、目標を得る為に努力します。

努力する姿勢が身に付いたのは、入社当初に就いたカスタマーケア時代に、お客さんに真摯に向き合った経験が基礎になっています。また、その後はインターネット/ウェブサイトを80年代に私が全て作りました。この時は好きな様にできたので楽しい経験になりましたね。そして日本で企業責任者としての存在。

いつも自分の心をフレッシュに、若くエネルギッシュに過ごしています。こういられるのも、娘の存在がとても大きいですね。今すぐ帰って抱きしめたい位、本当に大事な存在です。

若さを保つには学び続ける事。年上年下、イヌ、ネコ、自然、全ての事から学ぼうとする姿勢はとても大事です。学びをわすれた時から人は老いていくのです。

東京の生活では、ローカルな文化を感じる為に、日本人でもなかなか行かないような路地裏に出没したり楽しんでいます。人を感じる為に、社会を見る為に、マスがどのような生活をし、何を欲しているか見る為に。

 

EC: ティツィアナさんの「感度」が興味深いですね!

そう。頭で考えずフィーリングで。刺激を求めましょう。でも吸収の多い生活だからこそ、もちろん私は良い物と悪い物のフィルターを(仕分け)するのにも長けています。情報や付き合いのなかには、自分の信念、モラルに反する物もあります。オープンマインドとクローズとのさじ加減が難しいのですが、自分の感覚や勘を信じて瞬時に判断する事ができます。

その感覚を得るには、遊ぶのも大事、交流する事も大事、私の一日は24時間ではたりませんね。

 

EC: 未来はどうお考えですか?

未来は信じないタチです。良い現状が良い未来を作るからです。まずは足下を固めます。

カンフーパンダで良い言葉がありましたよね。

“Yesterday is history, tomorrow is a mystery, but today is a gift. That is why it is called the present.”  そう、今日という日はプレゼントなのです。

家族もいますので、ある程度将来の事は考えていますが、キチキチとプランするよりは毎日を大事にしたいですね。もちろんしばらく日本にはいたいです。

 

EC: メッセージを宜しくお願いします。

自動車の業界は課題が山積みです。

今日、自動車業界では、環境への配慮はもちろんの事、各国事情が違うそれぞれのライフスタイルを考えたトータルソリューションが求められています。マーケティングの仕事はクリエイティブです。エンドユーザーの生活や気持ちを知る事、先回りする事が大切です。トレンドセッターにならないと難しいといえましょう。

みなさん是非FIAT CAFFÉ にお越しいただき、かわいいチンクエチェントに触れてみてください。

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