今回は、Entertainment-Kick Co. Ltdの代表の高橋氏にお話を伺いました。学生時代からバックパッカーとして世界中を旅されてきた高橋さんが、立ち上げた「FindJPN」という素敵なサービス。来日予定の外国人のお友達がいらっしゃる方は是非同サービスについて教えてあげてください。
自己紹介をお願いします。
今月の8月にFindJPN(ファインドジャパン)というサービスを立ち上げた高橋理志です。
学生時代から異文化が好きで、 南米、アジアを中心にバックパックで30カ国旅をしました。卒業してからはなかなか海外へも行けないので、「airbnb」という部屋を貸したい人と宿泊したい旅行者をマッチングするサービスで、旅行者を自分の家に泊めることで擬似的に海外旅行を満喫しています。現在運営しているサービスは、旅行者を宿泊させていて気づいた事をきっかけに作りました。
慶応義塾大学からA.T.カーニーへ。何を培われましたか?
大学時代は、人や文化に興味があったので文化人類学を専攻としていました。将来は自分のやりたい事、「これが価値だ」と思う物を社会の仕組みにしたいなと思っていたのですが、 当時はすぐにそのイメージが湧かなかったので、まずはビジネス(しくみ)を創れる人になろうと思い経営コンサルタントになりました。そこでは成長戦略、業務改善など幅広く企業の戦略分析に携わり、「論理的に考える事」をとことん鍛えられました。データを分析しながら仮説を作り、Factを積み重ねて打ち手を作り、仕組みに落とし込んでいく。それを文字通り、朝から晩まで頭をフル回転させてやっていた時代でしたね。
コーチユナイテッドへ。
A.T.カーニーを退職後は、コーチユナイテッドという企業へ転職しました。実は大学の同級生が立ち上げた会社で、3人目の社員としての入社でした。創業して間もない会社だったので、自由な環境のもと、ゼロからの組織作りや、営業、マーケティング、WEBシステムの設計などを経験するなかで、顧客向けビジネスのイロハを学びました。まっさらな状態からサービスを創っていくのが本当に楽しかったです。事業の立ち上げに3年間携わりましたが、「自分が最も興味がある分野で事業を作ってみたい」という思いを抑えられなくなり、自分でビジネスを始めました。
また、20代のうちに起業したいとも漠然と思っていました。それは大学時代の恩師で、楽天の立ち上げに携わった本城慎之介さんの影響が大きいと思います。本城さんが楽天を辞めて教育のフィールドに移られたのも29歳でしたし、三木谷さんも29歳で楽天を作られたと聞いていたので、29歳は僕にとっての目標でした。
貴社のサービスについてお聞かせ下さい。
FindJPNというサービスです。外国人旅行者向けに作ったもので、空手や書道などの体験クラスや築地案内など、大手旅行会社やガイドブックに頼っていたら得られないような日本での体験を提供することを目的としています。単なる情報提供サービスではなく、予約から決済までできてしまうワンストップのサービスです。
ビジネス上での難しさはありましたか?
WEBサイトの構築は苦労しました。当初、事業立ち上げを決意して退職した僕はフルタイムで動けたものの、webサイトの構築は僕以外のパートタイムのメンバーが担っていました。そのため、思うように開発が進まず、そこに追い討ちをかけるように東北地方太平洋沖地震がきたので、もはや内部的にも空中分解の危機になりました。それでも持ちこたえることができたのは、現在のパートナーである林が「このサービスを世の中に出さないのはもったいない」とフルタイムで参加してくれる決心をしてくれたからです。
このビジネスに対する心意気を教えてください。
海外旅行をしている時に一人でご飯を食べている時間がとてももったいない、とずっと思っていました。まわりで同じように一人でご飯を食べている人のなかにも自分に興味を持っているけど話しかける勇気がなかった人もいたのだと思います。お互いが自然に出会える仕組みがあれば、旅行している時間を最大限に有効活用できる、と思ったのがこのビジネスを立ち上げたきっかけです。
旅行先で歴史的な建造物を見たことよりも、バーで知らないおじさん達と会話したことの方が後々覚えているという人も多いはずです。「見て周る観光」の価値ももちろんありますが、これからの旅行はもっと人とのつながりから生まれる価値が重視されていくのではないかと思います。今は体験コースを用意するというシンプルなサービスに特化していますが、ゆくゆくは自分の原点である人とのつながりを生むサービスにしていきたいと思います。
今の外国人に人気なコースはありますか?
書道や空手クラスなど、伝統的な日本文化のコースは相変わらずの人気です。地震以降では、震災ボランティアへの参加希望の問い合わせも増えました。
また日本好きな人は「オタク的なもの」を求めてきます。秋葉原では、アイドルのライブ、ネコカフェ、耳かきマッサージ等の紹介もしていきます。
今までに印象に残った国の方、感動した出会いはありますか?
そうですね。一番最初にAirbnbのサービスを利用したときのことです。僕もオープンな性格とはいえ、赤の他人を自宅に泊めて、鍵を渡すのはやはり最初は不安でした。そんな不安をよそに、19歳のスイス人が泊まりにきました。
彼も同じサービスを使って旅行者を泊めたことがあったので、セキュリティーで不安になったことはないのかと聞いてみました。そこで、19歳の少年に説教されたんです(笑)「このサービスはオープンネスと信頼で成り立っていて、お互いを信じられるからこそ、こういう出会いがあるんだよ!」と諭されたんです。これにはとても衝撃を受けました。確かに、このサービスに出会わなければ今の自分もFindJPNもなかった訳ですし、感動した出会いでしたね。
ビジネスの、人生の醍醐味はなんですか?
自分の作り出したサービスを通じて世界を変えられるのでは?と感じながら、もの作りをしている瞬間は、とてもエキサイティングです。 過去にAirbnbのサービスが僕を変えたように、FindJPNを通じて新しい価値を人に与えるインフラを創りたいと思っています。より多くの人に異文化の楽しさを提供して、それをビジネスとして成立させるべく努力している毎日はとても楽しいです。
大学の頃から、どうやったらより良い世の中になるのかをずっと考えていました。様々な経験を通じて痛感したのは、人の認識を変えることが一番なんだということです。認識が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば社会が変わる、と思っています。
文化人類学を専門に学ぶ前には政治学を学んでいました。正しいシステムを作れば解決できると思い、自分で議員さんを集めて公開討論会を開いたりしましたが、正しいことを正面から伝えるだけでは人はなかなか動かないのだと感じました。人が自然と動きたくなるような仕組みを作って、良い流れを作るしかないなという実感が僕の根底にあります。
楽しみながら心を開いて、新しい認識を取り入れるのがいい。そういう仕組みを作っていきたいと思ったんです。
ライバルはいますか? 目標は?
Airbnbはとても素晴らしいと思います。できれば将来一緒に仕事をしたいと思っています。また影響を受けた人物として、僕の家に泊まりにきたWinduというサービスの代表にも影響を受けました。
彼はアジアの拠点を立ち上げるべく、採用活動をするために日本へ出張に来ていました。それまで僕は国内でのインバウンドサービスしか考えていませんでしたが、彼と夕食をしながら様々なことを話すうちに、グローバル展開がリアルにイメージできるようになりました。
また尊敬するのは、前職コーチユナイテッドの社長、有安さんです。
コンサル時代には現状分析から打ち手を出すことに重きがあったのですが、ベンチャーでは結果にこだわることが必要だと強く教えられました。「調べた結果、だめでした」なんて認めてもらえません。どうすればできるのか、を考え続けさせれられました。 この土壇場力は今もすごく生きています。 彼の行動、適切なサポートの仕方、モチベーションの高め方などを横で見ていて、毎日学ぶことがたくさんありました。今でもたまに相談することもあります。
今後競合が出てきた場合、貴社の強みはどこですか?
僕ほどこのサービスを愛してやまない、僕以上にコミットできる人はいません。最終的にはそこが競争で優位になると思っています。好きだからやる企業と、お金が儲かるからやっている企業の場合、最終的には愛の深い方が勝つと思います。思考の量が違ってくるからです。
競合という点では中国とシリコンバレーに似たようなモデルの会社があって、個人的に三国志だと思っています(笑)いかに早くモデルを作り、うまく展開できるかがカギだと考えています。
起業を考えている人にメッセージをどうぞ。
起業することはそれほどリスクではないと思っています。もし失敗したらと不安にもなるかもしれませんが、サラリーマンであるより学べることは遥かに多いですし、万が一失敗しても、真剣に勝負した経験があれば、大抵の企業は採用してくれるはずです。
やってみたいことがあるならまずは、自分で何か具体的な実験をしてみてください。自分のできる範囲で作ったサイトをプロトタイプとして稼働させてみるとか、フードビジネスに興味があるなら、友達に料理を振る舞ってみて反応を見る、とかでもいいと思います。小さくてもビジネスのシミュレーションをしてみてください。僕の場合は、外国人を家に泊めて観光案内をしてみたことが、たくさんの気づきと検証のもとになりました。一歩踏み出してみると景色は変わってきます。
求職者の方へ
弊社では、FindJPNのビジョンに共感してくれる優秀な人材を捜しています。ただ能力のある人よりも、同じようなビジョンを持っている人、アツい夢を持っている人を募集します。どんなポジションでも歓迎するので、興味がある人は是非お声かけください。
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